判例時報 (2038号/判例時報社)
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相続人の1人に対して全財産を相続させる旨の遺言がある場合に,他の相続人が遺留分を主張したケース。被相続人は,財産だけでなく負債も残して亡くなっていたため,遺留分額の算定に際し,負担すべき相続債務の額を加算すべきではないかが争われました(最判H21.3.24)。
まず,本件のような遺言の法的性質は,「相続分の指定を伴う遺産分割方法の指定」であるというのが一般的理解だと思います。
そこで,このような理解を前提に,今度は,相続債務の帰属を検討することになります。
この点,債権者との関係(対外関係)では,相続人全員が法定相続分に応じて債務を承継するということで,ほぼ異論はないでしょう。
しかし,相続人間の関係(内部関係)については,考え方の分かれるところです。本判決は,原則として,財産のみならず負債についても相続分の指定があったものと解すべきであるとし,本件事案では,全財産を相続した相続人1人に全債務が帰属すると判示しました。
従って,仮に他の相続人が債権者の求めに応じて弁済をした場合は,内部的に債務を負担する相続人に対して求償しうることになりますから,この分をわざわざ遺留分に含めて二重評価する必要はないという結論に至ります。
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フランチャイズ契約において,契約終了後に競業避止義務を課す規定の有効性が問題となった,東京地判H21.3.9。
判決は,競業禁止によるフランチャイザーの利益とフランチャイジーの不利益とを対比し,社会通念上是認しうるかどうかによって,公序良俗違反の有無を判断すべきとしました。具体的なメルクマールとしては,制約内容の合理性や競業に至る背景などが提示されています。
本件の場合,被告(元フランチャイジー)が競業行為を行った場所において,原告(フランチャイザー)の商圏が成立していたとはいえないこと,原告の提供したノウハウの要保護性は高くないこと,本件規定により被告は廃業以外の選択肢がなくなってしまうこと,契約終了に至った理由には原告側の事情が多分に存在すること等を理由に,2年間の競業避止規定を公序良俗違反と認定しました。
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