判例時報 (2051号/判例時報社)
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女性販売員との交際が実現するかのような錯覚を抱かせて高額な宝飾品を購入させる「デート商法」が問題となったケース。
かかる売買契約は,不公正な方法による取引として,公序良俗に反し無効と考えられます。この場合,割賦販売法30条の4第1項に基づいて,未払代金の請求を拒絶することが可能です。
他方,既払代金の返還請求については,否定する裁判例が多いのですが,今回掲載されている名古屋高判H21.2.19は,売買契約が公序良俗違反により無効となったことで,クレジット契約も目的を失って失効する結果,既払代金についても不当利得として返還請求することができると判示しました。
実に結構な判断ですね。さすがは消費者保護の最先端地域・名古屋です。
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いわゆるパチンコ必勝法詐欺について,情報提供会社およびその代表者の不法行為責任を認めた,名古屋地判H21.4.24。
正直に自白しますが,最初にこの手口の被害事例を聞いた時は,あまり(価値判断的に)救済の必要性を感じませんでした。「パチンコで稼ごうという発想自体がけしからんのに,それがうまくいかなかったら今度は金返せって・・・どんだけ~?」みたいな気がして。
しかし,その後,メーリスや雑誌でこうして勝訴報告を目にするうち,「これも典型的な詐欺商法であり,責任追及は当然可能だ」という考え方にいつのまにやら変わってくるから,我ながら不思議です(雰囲気に流されやすいとも言う)。消費者保護に熱心に取り組む先生方の努力には,本当に頭が下がる思いです。
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会費の請求書を送付された者が「振り込め詐欺ではないか」と疑い,県警に相談したところ,県警側もこれを振り込め詐欺と判断し,銀行に依頼して振込先口座を凍結したが,実は当該請求書は正当なものであったというケース。請求書を送付した会社が県に対し国賠請求をしました。
この点,東京地判H20.11.12は,県警が本件請求書の正当性を十分確認することなく口座凍結依頼をしたのは違法であるとして,国賠請求を認容しています。
うーん,難しいところです。逆に,厳密な裏付け資料がないと口座凍結できないということになると,これまた非常に窮屈なわけでして・・・。本件では,県内の他の警察署でも実際に同じ会社名で架空請求の苦情・相談が寄せられていたという事情もあるようですし,調査不十分と断じるのはいささか酷な気もします。
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過払金をめぐる最後の大論点であった,消滅時効の起算点に関する最判H21.1.22が紹介されています。
たった4ヶ月前の判決なのに,こうやって掲載されているのを見て「今さら感」があるのは,この分野の移り変わりの速さでしょうかね。
まぁ,最近では,そもそも時効が問題となるような長期取引の過払案件自体が少ないですから,この判決を活用する場面もそうは無さそうです。
【参考】 田舎弁護士の訟廷日誌 , お仕事&more , ろーやーずくらぶ
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私立高校の生徒がホームルームで教員に暴力をふるったことから退学処分を受けたのに対し,生徒側が納付済み学費の一部(将来の授業分)を返還するよう求めた事案。
学則では「授業料は理由の如何を問わず返還しない」と定められていましたが,かかる不返還特約が消費者契約法に反しないかが争われました。
この点,東京地判H20.10.17は,教育役務の提供は通常4月時点での入学者数をベースに1年単位で準備されており,途中で生徒が退学したからといって代わりの生徒を補充することは困難であるから,上記不返還特約は「平均的損害」の範囲内で違約金を定めるものとして有効である旨,判示しました。
本件では,どうやら暴行の事実自体には争いがないようですから,上記結論は妥当でしょうね。同じ授業料返還でも,いわゆる入学辞退のケースとは根本的に異なります。
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いわゆる「おまとめローン」の有効性に関する論稿。
債務者としては,従前の取引に利息制限法を適用した場合に過払い状態となっている(そうでなくても負債が大幅に減額される)ことを認識していない場合が多く,また,おまとめローン業者もそのようなことをあえて教えたりはしません。かように債務者の窮状・無知に乗じた取引という性質を持つことから,当該おまとめ契約の条件(金利や担保設定の有無等)によっては,暴利行為として契約が無効になるものと考えられています。
本論稿では,さらに一歩進んで,おまとめローンという仕組みそのものが「違法な収益獲得システム」であるとして,契約を無効とする可能性を提唱しています。
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過払金返還訴訟において,弁護士費用の請求も認容した,札幌高判H19.11.9。
まず,民法704条後段の「損害」の法的性質については,不当利得制度を支える公平の原則に基づき,悪意の利得者に対する責任を加重するため,不法行為とは別個に法が認めた特別の責任であるとしています。そして,少なくとも履歴不開示のケースにおいては,弁護士に委任しなければ過払金返還訴訟の遂行は困難であるから,弁護士費用についても相当因果関係を肯定し,民法704条後段の「損害」に含めるべきと判示しました。
結論は賛成ですが・・・。本来,金銭を目的とする債務の不履行に関する損害賠償額は法定利率による(民法419条)こととの関係が問題になります。「公平の原則を貫くための特別の法定責任」だから,特別に賠償の範囲を広げてくれたんですかね?
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前号の消費者法ニュースで紹介されていた勇気ある判決に続いて,同様の判断をした裁判例がいくつか出ています。
◎東京簡裁H20.9.8
第1取引と第2取引との間に15年の空白期間がある過払金請求のケース。上記判決は,取引が一連か別個か,ブランク期間の長短等にかかわらず,常に過払金の充当を認めるべきと判断し,従来の最高裁の判断枠組みを排斥しています。
◎京都簡裁H20.7.22/宇都宮簡裁H20.8.29
プライム(廃業済み)から債権譲渡を受けたSBIイコールクレジットに対する過払金請求のケース。いずれの判決も,単なる債権譲渡ではなく,契約上の地位の移転があったものと評価して,SBIに対する過払金請求を認容しています。
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